無計画経営の夜明け
若い頃は将来に会社経営、つまり「社長になる！」というのが大きな夢のひとつやった。なぜそう思ったのかというと、いろいろな考えがあったから。母子家庭で貧しかったのも一つやし、小さくても自分の城を築きたいとも思ったし、人に使われるのもあまり好きじゃなかったし。最初に就職した会社、エスケイジャパンの久保社長との出逢い、そしてその影響も大きい。大学卒業後、就職して、その後アメリカに行って、帰国してからいろいろな経験の中、そしてたくさんのご縁のおかげで今の会社を経営することになり、今年の6月で19年になる。長かったようで、振り返ると、あっという間やった感じがする。この間、「会社を良くするため」、「理想の会社にするため」、「見本となるような会社の実現のため」、など自分を奮い立たせるというか、それが経営者の使命と思い込んで、いろんなところに行って、僕自身が経営の勉強をしたり、社員さんと一緒に学んだりして、頑張ってきたように思う。ブランディングや３Ｓ活動、売上を上げるためのマーケティングやどうやったら経費削減して利益を出すかなど、ほんまにいろいろと学んだ。それはそれで、やりがいもあったから、ええ経験にはなったと感じる。だから「今」があるねんなぁ～と関わってくれた方々に感謝の思いも大きい。けど、ここ数年、こういう「いわゆる良い経営」と言うものに何か違和感を感じてる自分がいて、それがだんだんと大きくなってきた。コロナ禍も大きな原因のひとつやし、毎週通ってる古民家での経験、類学舎というフリースクールから受け入れてる中高生からの影響もある。この資本主義と言う仕組みの中で、お金と言うモノに縛られて、計画を立ててやってる自分って、「何か、面白くないなぁ！これってほんまにええんかな？」と感じるようになってきた。ある会で言われた、「自分の未来を、自分の頭の中の想像にとどめるな！」という言葉もすごく心に残ってる。自分の頭で考えるくらいの未来じゃなく、もっとワクワクする未来を創れる！だから、変にこんな未来にするとか、計画を立てるんじゃなくて、目の前に現れることを一所懸命に取り組む、それが自分が想像もしなかった未来に連れて行ってくれるっていう意味。去年から「無執着・無計画・無我・無心」が自分の信条。何かをする時に、これをしたらどんなメリットがあるか、どんな未来に繋がるか、どれだけ効率が良くなるかとかいろいろ考えがちやけど、そんな理由や大義名分は、いらんのちゃうかな～と考えるようになった。何かをする時、何故それをするのか？その理由は、「ただそれをしたいから」、「それがオモロイから」、それだけでええんちゃうかなと思う。子供の頃、外で友達と遊んだ時のように、「みんなと遊んでたら、オモロイ！」、「経験したことないことをやるのがオモロイ！」、そんな純粋な思いがほんまに大切やな～と感じたというか、そういうことを大切にする人生を生きたいなぁ～と思った。
そこで、今期からは「無計画経営」！2月が決算なので、去年までやったら、3月までに次の一年の目標売上や利益の計画、それを達成するために何をするかなど、いろいろ考えてた。でも、今年は何もなし。売上計画も利益計画もナシ。社員さんたちのお給料は自己申告制を今期からチャレンジ！毎月の目標売上達成時に出していた大入り手当はナシにして、いろんなチャレンジや失敗をしたら、特別手当を出すことに。出来る限り多くの「失敗」をして欲しいと思い、そのチャレンジや失敗をすることを促す外部の人にもお手伝いをお願いしています。誰かが考えたセオリーや成功事例を参考にして、計画通りに進むことほど、面白くないことはないなぁ～と感じてる自分がいてます。自分もそうやけど、うちのスタッフみんなが結果や成果にとらわれず、純粋にやりたいことをやってみて、どうなるか？それを見守りながら、一緒に体験できるのが、ほんまに愉しみなんですよね～。何と言うか、みんなと共に社会実験をしてる感じです。うまくいかへんこともたくさんあるやろうけど、それもええ経験になるし、それを愉しむ。計画を立てることをしないから、比較して心配することもないし、無理に何かしないといけないと言うこともない。実験やからいろんな結果が面白い。実際はたくさんの問題もあるやろうし、課題も出てくると思う。けど、それは計画を作ってやってても同じやろうしね。でも、この「無計画経営」、何かうまいこと行く氣がして仕方がないんですよね。ほんまに愉しみ。自分や未来を信頼してたら、必ずうまくいくっていう確信がある感じです。ま、これからですけどね。どうなったか、また報告しますね～
